生活の知恵 アイデア集

筆者が体験した生活の知恵をご紹介します。

手汗に効く!

手汗に悩んでいませんか?


私は悩んでました。
・学校のダンスの授業で人と手をつなぐのが怖い
・テストの答案用紙や書いている書類が手汗でふにゃふにゃになる
スマホ指紋認証が高確率で不能
など、生活する上で不便なことがたくさんあります。
 とある統計では、日本人のかなりの割合で手汗に悩む人がいることが判明しています。
(ただし、筆者は悩んでいる人にあまり出会ったことがない。何故でしょうか)
 そこで、筆者がやっと巡り会えた対策法をご紹介します。

 

手汗のメカニズム


 手汗に限らず、人がかく汗は「精神性発汗」と「温熱性発汗」があるそうです。
 詳しい説明は詳しい方にお譲りしますが、汗は「精神性発汗」の代表的なものです。「手汗をかきたくない」と意識した瞬間に手汗が滲みだす… まさに精神性発汗でしょう。

 筆者の場合は、手汗と脇汗、足の裏の発汗がコンボで押し寄せるので、足のニオイ対策も重要です。足のニオイについては、当ブログの「足のニオイに効く!」をご覧ください。

 脇汗については、後日、別の記事を書きたいと思います。

 

手汗対策


 手汗を何とかしたいと思い、自分でいろいろと試したことはたくさんありますが、その中で一番効果があったものを最初にご紹介します。そのほかの方法は、あとがきに記しますので興味のある方は読んでみてください。

 

塩化アルミニウム水で汗腺を塞ぐ!


 文字通り、そのままです。
 塩化アルミニウムには、汗腺に蓋をするように作用して発汗を抑える効果があります。市販されている制汗剤の成分にもなっていますが、どうしても濃度が低いので効果が目に見えて感じられません。
 これは自作するしかないと思い、自作しました。

 

塩化アルミニウム水の制作(以下、塩アル水と言います)


1 材料入手


① 塩化アルミニウム(Ⅲ)六水和物(試薬粉末)


 筆者は通販サイトで購入しました。ただし、化学薬品を個人で通販購入するのは、最近は物騒な事件も多発しているのでなかなかハードルが高くなっています。事業所(会社)が購入する場合はハードルが下がるので、お勤めの方は勤務先への配送ということで購入できる可能性があります。
 筆者は、AXEL(アクセル)というサイトで、勤務先への配送で購入することができました。また、本品は毒劇物でもなんでもないので、近所の薬局などで事情を説明すれば取り寄せてもらえるかもしれませんので相談してみて下さい。
 ちなみに、筆者が購入したのは


林純薬工業株式会社製 特級 塩化アルミニウム(Ⅲ)六水和物 500g プラスチックボトル入り 2,090円(税抜き)

f:id:nekonohitai17:20200522135621j:plain

塩化アルミニウム粉末500g入り


と、同社製の一級品 1,520円(税抜き)です。


 いずれも試薬なので、特級と一級の差がありますが、特級が純度98%、一級が97%であり、不純物であるカルシウムなどが微量に含まれている程度なので、使用上に差はありません。


② 混合ボトル


 プラスチック製であればなんでも構いませんが、一番よいのは「500ml精製水」の空きボトルです。コンタクトレンズの洗浄などに使われている一般的な製品です。
 使う際に少量ずつ手に取れるので、とても使いやすいのです。
 その他、清潔で不純物が混入していない同様の容器があれば活用できます。
 ただし、スプレーボトルはお勧めできません。不要なミストが飛び散ったり必要以上に溶液が出てしまうおそれがあります。また、スプレーのスプリングが錆びて鉄?成分が混入するおそれがあります。(健康上は問題ありませんが、鉄臭くなります)


③ 消毒用エタノール

f:id:nekonohitai17:20200522153955j:plain

消毒用エタノール


 最近は入手しにくい状況ですが、一般に市販されている500ml入りのものを用意します。精製水でもよいのですが、速乾性があるほか塩化アルミニウムがアルコールに溶けやすい性質があるため、エタノールをお勧めします。


2 調合


① 塩化アルミニウムを計量


 キッチンスケールなどで、清潔な紙に上に塩化アルミニウム粉末を100グラム取り出します。


② エタノールを計量


 清潔な容器で消毒用エタノールを200グラム計量します。


③ 混合


 用意した混合ボトルに計量したエタノールを注ぎ、計量した塩化アルミニウム粉末を静かに入れます。しっかり蓋をして、静かに振って塩化アルミニウム粉末を溶かし、全て溶けきれば完成です。


3 施用(塗布)


 塩アル水を塗布するのは寝る前が最適です。就寝中に成分を皮膚に定着させます。
 日中に塗布しても定着しにくいばかりか、触ったものに成分が付着していろいろと不都合が生じます。寝てる間に定着させましょう!


① 手に塗布


 作成した溶液のボトルから、手のひらに10円玉くらいの量を滴下し「手のひらのみ」にしっかり刷り込みます。
 この時、手の甲に付かないように注意して下さい。手の甲の皮膚は手のひらに比べて弱いので、かゆみの原因になるおそれがあります。しっかり塗り込んだら、使い捨てのプラスチック手袋をはめて就寝します。

f:id:nekonohitai17:20200522141311j:plain

使い捨て手袋


 手袋はラテックス製でも構いませんが、まれにラテックスアレルギーの方がいるので注意して下さい。また、脱げやすいポリエチレンのペラペラの手袋は、就寝中に脱げてしまうおそれがあるのでお勧めできません。

 なお、手袋をはめる目的は、塗布した塩アル水をしっかり手のひらに定着させるための他、就寝中に無意識に塩アルの着いた手で目や顔などに触れることを防ぐためです。


② 就寝


 そのままま寝ます。


③ 手洗い


 翌朝、起床したら先ず手袋を脱いで石鹸でよく手を洗います。
 薬剤が洗い流されたらもったいないなどと思わずにしっかり洗います。それでも効果はしっかり残るので大丈夫です。
 石鹸で手を洗ったときに「ガサガサ」「ギスギス」する感じがすると思いますが、これこそ正に、有効成分がしっかり皮膚に定着した証拠ですので安心して下さい。


4 メンテナンス


 本記事で紹介した塩アル水は、約33%の重量濃度となるので、前記の方法で連続1週間程度塗布すれば効果が出てくるはずです。
 効果が現れた後は、2~3日に1回程度塗布すれば効果が持続しますので、毎日つける必要はありません。慣れれば週に1回程度でも効果が持続する場合もあります。


5 効果について


 筆者の経験では「手汗が劇的に減少した」ものの「極度に精神的に緊張した状態ではやはり多少は発汗する」というのが正直な感想です。しかしながら、生活に支障が出るような手汗はかなり抑えられました。
 手汗に悩む方の一助になれば幸いです。

 

余談
 アルミニウムの害について
 一部では「アルミニウムは体に悪い」「アルミニウム脳症が心配」などと、アルミニウムが人体に有害であるような記事があります。
 確かに、過去にずさんな透析治療で脳症を患った方がいるのも事実ですが、これはかなり特殊な例でしょう。
 アルミニウム製剤を使用して体内に取り込まれたアルミニウムは、健常者であれば問題なく体外に排出されます。
 この度紹介した方法で人体に取り込まれる可能性としては
・塗布した塩化アルミニウムが経皮的に体内に吸収される
・手指に塗布した塩化アルミニウムを食事などの際に舐めて経口摂取する
ことが考えられますが、いずれにしてもかなり微量です。
 普通に販売されている胃薬の中には、塩アル水を舐めた量とは比較にならない桁違いの大量のアルミニウム塩が1回の服用量に含まれているものもあります。よほど腎機能に障害がある方でなければ、手指に塩化アルミニウム水を塗布することは健康上問題ないと考えられます。(皮膚科医の先生による論文も公開されています)

 

費用対効果


 市販品
  オ〇レミスト 塩化アルミニウム13%配合 50ml 2,470円(ネット調べ)


 皮膚科の保険適用外処方
  20% 塩化アルミニウム溶液 100ml 1,650円
  40% 塩化アルミニウム溶液 100ml 2,100円(ネット調べ)


となっており、当サイトで紹介した方法で作成すると
 塩化アルミニウム特級500g 2,200円
 消毒用アルコール500ml 高く見積もって1,000円(最近は手に入りませんが)
を使って先述の配合量で制作すると、約300mlで640円、100mlあたりだと214円程度となります。もう、ジャブジャブ使えちゃいますね!

 

あとがき


 筆者は手汗対策として様々な手法を試しました。
 精神療法的アプローチとして心療内科を受診し、交感神経の興奮を抑える経口薬を処方してもらったこともあります。やや効果があったものの、それらの薬はいずれも脳の活動を低下させる薬のため、眠くて仕方がありませんでした。はっきり言って仕事や勉強に差し支えるレベルです。
 外科的に交感神経を断絶する手術もあるようですが、私は試す勇気がありませんでした。代償性発汗がどのように起きるのか予測できないリスクがあるとのことです。
 簡単なところでは、こまめに石鹸で手を洗うことを実践していましたが、イザというときにはやはり手汗が滲みます。
 本記事の塩アル水で、手汗に悩む方の一助になれば幸いです。


ただし、体質に合わない、手がカブレるなどの異常があれば直ちに使用を中止して医師に相談して下さい。